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2009/02/28

検査入院の父のお見舞いで

実家の父が4日間の検査入院をすることなったとき、

これまで入院生活などにはまったく縁のなかった母が不安げに電話をしてきた。

これまでも経過観察の続いていた、年配の男性に多く見られる病気。
夏には画像を撮って異常なしが確認されたが、すこし数値に変化があったので念のために生検を、ということになったのである。

「良い機会じゃない!」とわたしは言った。

古希も過ぎ、いつ本当に病気になって入院するかわからない。弱った体に初めての入院生活、ということになったら、心身ともに滅入って、免疫力も低下しそうである。一気に崩れてしまったらたいへん。だから、体験するにはちょうど良い機会ではないか、と思ったのだ。

母も、それもそうだね、ということになり、それでも多少は不安げな父を励ましながらの検査入院となった。

大学がもう休みになっている息子も出かけ、わたしは授業を終えてから実家近くの病院hospitalへ向かうことにした。

 パジャマ姿で6人部屋の病室のベッドに座っている父は、明るいながらもさすがに緊張の面持ち。先生に、検査(いちおう「手術」という)のリスクを1000分の1の危険性まで説明されて恐ろしい気持ちになりながら、まさに「まな板の上の鯉」と化していった。coldsweats01

 翌日、息子を残し、わたしは朝早く伊豆に戻ったが、母から無事検査が終わったと連絡を受け、とりあえず一安心をする。検査日はすっかり病人めいていたらしいが、その後はもうすっかりふだん通り元気な父に戻って、4日間の初入院は終了した。結果説明は3月半ばだということだけど、いずれであったとしても、良かった、と思えるような気がする。心配でないというわけでもないけれど、でも、しすぎてはいない、・・・かな。

 今回のお見舞いで、良かったことがもう一つ。

 やはり2時間くらいかけて病院に来た弟と、約7年半ぶりに会えたことだ。

伊豆半島と房総半島。近いようだけれどもなかなか会う機会がなく、気になっていた。夕食をともにして、仕事postofficeの様子を聞いて・・・、厄年の弟への心配はぎゃくに増えた気はするけど、・・・どこかほっとした。

以前、「その仕事をしていて自分にエネルギーをもらえる職業なら、それは自分に向いている仕事だ」、というのを読んだことがあるけど、弟に関して言えばそれは残念ながらあてはまらない。彼の良さが生かせる仕事に出会えたら良いのに、・・・と思うけど、きれいでがんばりやの奥さんや、明るく元気な一人娘とともに、彼なりに一生懸命生きているんだな、と・・・そんな実感の夜だった。

 弟、応援してるよ!ストレスが多いんだから、体、だいじにね。何か困ったら言っておいでよ!

 ひさびさの・・・なつかしい、家族の光景だった。

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隣のベッドの男性の奥さんは、息子が母の孫だと聞いてびっくりしていたとか。

・・・ということは・・・

弟とわたしと息子の三兄弟だと思ったということらしい。
40代の長男、30代の長女、20代の次男、って感じで?? やっぱりね~!bleah  

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2009/02/22

二分の一成人式の記録として

 二分の一成人式。20歳の半分、10歳の式である。

「・・・ななつ、やっつ、ここのつ。」と「つ」のつく年齢を過ぎて、思春期の入口に立つこのときに、生まれてから10年間の自分の成長を見つめ直すとともに、支えてきてくれた家族をはじめとする周りの人々への感謝の思いを新たにしていく・・・。そして、20歳の成人式にむけて、自分の足でしっかり歩き始める。・・・そんなイメージの「式」。

 先週行ったこの式について、ちょっとオン&オフの要望もあり、まとめておきたいと思う。長くなりそう。ごめんなさい。

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わたしがこれを行うのは2回目で、前回はもう10年近く前になる。その時にとても温かな気持ちでいっぱいになったので、ぜひまた4年生を担当したら行いたいと思っていた。

その時は単学級だったけれど、今回は3クラス。クラスごとに行う方法もあるけれど、やっぱり、これからをともに歩んでいく仲間みんなで、と思ったので、学年のスタッフと相談をしながら、プログラムを作り上げていった。

1月はじめのオリエンテーションを経て、子供たちの意見や希望をもとに四つのチーム(コース)を作った。劇のチーム、スライド上映のチーム、情報紹介のチーム、詩と音楽のチームに分かれて進めていくことになった。

何をしたいか、どんなふうにしたいか、担当とともにチームごとの思いで進めていく。時間も計り、順番も検討して、約1時間弱のプログラムが出来上がった。Card

この日のために、

子供たちはパソコンを使って自分の写真入りの感謝カードを作った。おうちの方への手紙も書いた。

そして保護者の皆さんにも

小さい頃のエピソードを寄せていただいたり、出生時の体重や身長、名前の由来などを教えていただいたりしたばかりでなく、

お子さんへの手紙を書いていただいた。

きっと、お忙しい中たいへんだったと思うけど、気持よく協力してくださった保護者の皆さん、ありがとうございます。

 当日、開式前の会場に、BGM「メモリ~ 2分の1成人式によせて」を流す。子供の人数分用意した席がどんどんうまっていって、開始時刻となった。

はじめの言葉に続いて、スライドショーが始まる。

 たくさんの写真をカメラで接写して作った思い出のアルバム。一枚一枚に、子供たちの歓声が上がる。ほんとに、ちっちゃくて、可愛くて。heart04愛情いっぱいのまなざしが、レンズの向こうにあるんだろうな。

つづいて、劇となった。できるようになったことや将来の夢soccerbaseballを楽しい寸劇にしていた。リズム良く、テンポ良く、動き良く、思わず爆笑。お笑いでも、けっこういけるかも?

そのあとは、報道ステーション。生まれた時のサイズをグラフ化したり、思い出や将来の夢をランキングで発表したり、工夫を凝らしている。幼稚園の時も、今も、夢の一番人気の憧れの職業はパティシエだそう。
名前の由来の発表にも、思わず、なるほど~、である。

ここでエピソード紹介が入る。紹介するのはスタッフであるわたしたち4名。愛らしく楽しいエピソードの数々に、笑顔が広がっていく。お母さんたちの文、最高!さすがです。

このあと、詩と音楽のプレゼントとなった。Okasan子供たちが選んだ詩の出典は、同じ年の子供たちの書いた、→写真の詩集たち。「おかあさんの手」にほろりとした後は、あの「いのちのバトン」。
そして、「まあるいいのち」の合奏にじんわりとなっていく。ハンドベルの響きがとってもすてき。同僚のセンス、さすがです!

そして、手紙交換の時間。座りきれないほどの保護者の皆さんでいっぱいになった室内で、手紙を交換し、封を開ける。読んでいるときの表情が・・・なんともいえなかった。

最後は全員合唱で、「遅すぎないうちに」という曲を歌った。一緒に口ずさみながら、弱い涙腺がつい・・・ぽろり。weep ほんとに、愛おしさでいっぱいになってしまう。これからも、がんばって生きていくんだよ!!

終わりの言葉は、感謝ということを思った、これから本当の成人式を立派に迎えられるように生きて行こう、と結ばれた。おうちの人の方を向いてお礼の挨拶をして、式が終わった。

 国語の力を意識してしっかりスピーチをする場合もあるし、立志式というイメージの場合もある。その担当スタッフの色合いも出ると思うけど、今の学年のスタッフは・・・、何となく楽しさやあったかさがどこか似ていて、こんな感じの式になった。・・・チーム力っていいな、と思った。

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 その後は、最後の学級懇談会だったので、わたしはおおかたの片づけをしてから職員室に戻っていた。ちょっと放心状態。しばらくするとお客様があると玄関に呼ばれた。

 一人のお母さんだった。初めて話すお母さんだった。

「今も懇談会で話して来たのですけど、とても良かったのでお礼を言いたくて。」

3番目のお子さんで、上の二人はもう大きいのだという。初めて二分の一成人式を見て、とっても感動したと言ってくださった。学年でやってくれたことも良かった、全部見ていなかった人にも見てほしいし、これからにも伝えていってほしい、とおっしゃった。

わざわざ伝えに寄ってくださったことが本当に嬉しくて思わず涙が出そうになった。

 学級懇談会を終えて降りてきた同僚たちからも、

「良かった、ってみんな言ってくれましたよ。懇談会、半分以上はその話でした。」
「手紙を書くのはとってもプレッシャーだったみたい。だけど、それで、今までを振り返れたって言ってくれました。」
「手作り感が良かったっていう声があったよ。」

うれしい報告が続いた。

 とっても・・・いい日だった。

4年生や、そのご家族にとっても、そんな日であってくれただろうか。
心の成人式として・・・思い出に残る一日になってくれたことを、祈っている。

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 やっぱりとても長くなってしまいました。お読みいただいて、ありがとうございました。

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2009/02/19

「ハッピーLifeday」 優しい響き

Life_3 読み聞かせで司書さんが6年生に読んであげるという本を、教えていただいた。

どれも想いのこもったすてきな一冊だけど、

その中の「生きているだけで、いいんだよ。」(ごとうやすゆき)が、とっても気に入ってしまった。

 言葉が優しく心に響く。

 絵のやわらかな色彩が心を癒す。

 そんな一冊。

家に帰って、声に出して読んでみる。

悩んでいる人や、くよくよしている人や、傷つきやすい人へ・・・っていうけど、
そうじゃなくても手にとってみれば、きっと・・・幸せな気持ちになっていけそう。

誕生birth 出会いlove 別れpain 生きる力live 成長growth いのちlife

それぞれに語られる短い詩の言葉が 大切なことを届けてくれる。

たとえば

「いのちはいのちを好きになる」ことを。

「消えていったいのちが」「たくさんのことを」「教えてくれる」ことを。

「つらいことや悲しいことが」・・・「悪いこととはかぎらない」ことを。

         (↑↓色つきの文字は、作品より引用している言葉です)

「生きてるだけでいいんだよ。」っていうのは
たびたび目にするフレーズだけど、
どこか違和感があって今まで自分の中にすっきり入ってこなかったのに、

この本を読んでいたら いつの間にか自然に・・・、心に溶けていた。

 娘にも、教室の子供たちにも読んであげたいな。

 両親にも聞かせてみたいし、 仏壇の前でも読んでみたい。

 そして・・ 自分自身のためにも、かみしめながら・・・読みたい。

実感とともに、深く心に落ちてくる数々の言の葉たちを。

「いのちlife」にあるような、自然やすべてのいのちの仲間が声をかけてくれるような感覚は未知なんだけど、・・・きっといつか、感じることができるんだろうと思う。

 ほんとに、・・・ Happy Lifeday To Youheart01 が すてき。

目をとじて、あったかな、自分のいのちを感じてみた。

そして・・・子供たちをじっと見つめて、愛おしいいのちを心の中で抱きしめた。

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あ、「いのちが好きになった」・・・夫の「いのち」も・・・もちろん。wink 

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2009/02/14

未来が不安な最近のニュース

 初夏のような陽気のバレンタインデー。

河津桜で渋滞中の道を走りながら、買い物バッグの冷凍食品が気になって、少しの間、カーエアコンを「冷房」で入れる。

こんな2月の中旬があっただろうか・・・と思っているところに、nanacoさんの記事を読みながら、ますます不安な気持ちが広がってくる。

買い物バッグぐらいは持参するようにしているし、夏にもエアコンはほとんどつけないし、家でも一人のときには暖房を使わないようにしているし・・・、なんていうささやかな心がけくらいはあるけれど、土地柄とはいえ、通勤も外出も自動車を使わざるを得ないのだから威張れたものではない。

この先、どうなっていくのか、どうしたら良いのか、と思う。

 ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・

 日々、政治も新聞やテレビをにぎわせている。

誰がどうとか、何がどうとか、
それを論じられるほどの才覚はないので書くつもりはないけれど、

ただせめて

さすが国のリーダーたちだ、と憧れるような姿をみられる場であってほしいという気がする。

「世襲」のような環境や土壌とは無縁でも
こころざし高き人が挑戦していきたくなるような世界であったら良いのにと。
報道にも工夫の余地があるのかもしれないが。

遠くはない老後とか、子供たちの将来とか・・・

確かに難題は山積みなだけに・・・ どうなっていくのかと・・・心配になる。

 ・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・

 先日テレビをつけていたら、「先生になろう!バスツアー」のニュースをやっていた。

東京都の教員採用試験の倍率はずいぶん低くなっている。試験としては3倍を下回ると質の確保は難しいということで、教員となる人材確保のための企画だそうである。

たしかに、以前ある講演で聞いたお話でも、首都圏での教員の3年退職率やベテラン(40代後半以上?)退職率はかなり高いと言っていた。せっかく熱い想いを抱いて教壇に立っただろうに。

つける職業が限られる地方とは異なり、首都圏ではより深刻だろうが、
だからといって団塊の世代の退職を考えれば、必ずしも首都圏だけの問題とはいえない気もする。

不況が教員の質を高めるという皮肉なこともあるのかもしれないが、
優秀で意欲的な力の確保はとても重要なこと。
それに、その力を伸ばしていくということも。

学校現場としても、できることをもっと考えていく必要があるだろう。

・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・

 なんて・・・

最近思っていたことを綴っておこうとしたら、なんだか出口の見えにくい難しい話になってしまった。

 あ~ん、失敗。(+_+)

関心をもつこと自体は大切なことだけど、漠然と広がる不安感は、たぶん充実感の薄い日々にも起因するのだろう。

 やっぱりわたしとしては

学級担任として過ごす3学期が一番良いということだ

子供たちの育ち、絆、そして保護者の方々とのつながり。それらが熟成されて離れがたい想いに包まれ始めるはずのこの時期。不安感に覆われたり、また、日常の中の些細なことまでも気にしたりする余地もないはずの・・・。

 だけど、

自分の世界だけに没頭していれば考えずに済ませてしまうことも多い。今しか見えないいろいろなこともしっかり見つめて、自分のこれからに生かしていきたい、とも思うのである。

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読みにくい記事にお付き合いいただいてありがとうございます。
いちおうテーマは、「夢ある未来を」 ということで。苦しいかな?^_^;

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2009/02/08

引越し…二年間の思い出の街

 Hikkoshi1_3
金曜日に 、仕事を終えてから急いで新幹線bullettrainに乗って着いた時には、もうだいたいのものが詰め込まれていて、六畳一間は段ボールでうまっていた。

 荷物はそんなにないだろうと思っても、片付けるとなると結構たいへんなようで、
・・・upwardleft息子もかなり奮闘のようす。happy01

 後期の試験に、ゼミ合宿も重なり、あわただしくばたばたしていたので、やる気満々の?実家の両親にも午後から助っ人を頼んで、引越し前夜となった。

 Mos_3もう今夜が最後なので、いつもとは逆のOz_2隣の駅まで両親を送りながら、彼の生活圏などを案内してもらう。

行きつけのバーガーショップ、ファミリーレストランとか、たまに行ったカラオケとか、ラーメン屋とか、テレビでも紹介されてた商店街とか。
 こんなふうに生活していたんだね。

 「引越しそば」ではないけれど、Soba2そば割烹に案内してくれて、ゆったりと食事を楽しんだ。雰囲気の良いお店で、すっかりくつろいでしまったけど、 最初で最後なのがとっても残念。

アパートに戻ってから、近くの銭湯にも行った。伊豆では、温泉会館のようなところばかりなのでAsahiyu、銭湯は本当に久しぶり。シャンプーや石鹸もなんとか用意して、冷たい夜風の中、出かけていった。こじんまりとした、懐かしい空間に、露天風呂まであってびっくり。すっかり温まって、ぽかぽか。
う~ん、♪「神田川」の世界。(夫とならね。)Hikkoshi2_2

 

土曜日は早くから引越しが始まった。

プロの手際の良さに感動しながら、あっという間に積み込まれていく荷物。三島のアパートには、夫が待機しているので、お願いします、とトラックを見送った。

Hikkoshi3_2アパートの大家さんは優しそうなご婦人で、伊豆のお菓子をお土産に、ご挨拶をする。「まあ、きれいにしてくださって。」と言っていただいて、ほっとする。お世話になった駅前のお店にも立ち寄ってご挨拶。ここの店長さん(リンク先の右下にひとことがあります)は伊豆の近くの町の出身で、なんだかとっても心強かったものだ。

 息子の大学生活の前半を過ごしたこの街。彼の中には、いろんな思い出が残っていることだろう。いつかまた、この街を歩いた時に、どんな気持ちに包まれるのだろうか。

 横浜に出て、踊り子号で三島に向かう。次の2年間は、いったいどうなっていくのかな?彼らしい日々を過ごして欲しい、と願う車中だった。

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 この後、三島に着いて、当然ながら・・・またまた到着した段ボールの山。
みんなでだいたい片付けたけど、今日は疲れて、掃除もする気になれませ~ん。(-_-;)

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2009/02/01

鬼って?「ゆきこんこん物語」

さねとうあきらの創作民話。 

先日、ある朗読のステージにおじゃまして、初めて聴いた物語である。

印象が強烈で、・・・忘れられない。Mana_2

 こんなおはなしを してくれたのは
 おばあちゃんだったろうか・・・
 おとうさんだったかもしれない・・・
 ― おはなしをきいた夜は
   まどのそとにいつも
   ゆきがふっていたっけ
   ぼくの ゆきこんこん物語だ  
(「ゆきこんこん物語」冒頭より)

この日のメインの二編は、「ゆきこんこん物語」の中の
「ゆきんこ十二郎」「おにひめさま」。

メンバーの皆さんが、それぞれの声色を生かして地の文と会話文を読み進めていく。およそ25分間の読み語りだけれど、展開にひきつけられ、あっという間に感じた。

 雪の降らせ方がへたな、雪おんなさまの末っ子の十二郎が、はたおりの少女ミネのために奮闘する。欲の深い長者たちに、雪おんな様の怒りは爆発して・・・

 民話というものは容赦がない。人間の小賢しさや悪を、大自然が大きな力でのみ込んでいく。その中に十二郎とミネの愛らしさが、野の花のように添えられる。Yukikonkon

 もう一編のおにひめさまは、わがままで美しい姫様が、雪の中、都への嫁入りを強行して鬼に拾われ、心優しいじじばばのところへ連れて行かれる。それなのに・・・(左の表紙絵が姫様)

 吹雪の中の恐ろしさがせまってくる。どうして、じじばばが、という想いもわきあがって来る。そしてかみすきおにとなった姫の姿も目に浮かんでくる。

「ひな人形を川に流すように、このおにひめが災いをすべて引き受けて人々の気持ちを晴れやかにしてくれる」といったことを作者は伝えられたという。創作民話の醍醐味なのだろう。

この本の三編めのべっかんこおにも読んでみた。目の見えないユキと、笑ってしまうような顔のおにが、幸せに暮らしていけたら良かったのに・・・。

 必ずしもハッピーエンドにはいかない人間社会を、つらく悲しく厳しいほどに描き出してみせる作風が鮮烈だった。そして、だからこそ、読み語りしたときの存在感がきわだっている。

 もうすぐ節分。

 鬼って・・・いったい何だろう、と思った。

自分の中にいるのだろうか。社会の中にいるのだろうか。地獄に住んでいるのだろうか。正義なのか、悪なのか。

絵に描いたとしたらたぶん似ているはずだけど、
それぞれの人に、それぞれの考えがあるのかもしれない、とも思う。

畏れ、ということに時に立ち返りながら、この物語たちを覚えておこう。

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「鬼は内」という地域もあるのですよね?

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