源氏物語1000年によせて
展示期間の終了も翌日となった日曜日、美術館前は長蛇の列となり、入場制限が行われたほどだった。
「源氏物語の1000年」というタイトルをよく考えもせずに出かけたけれど、「1000年前の源氏物語」のことではなくて、源氏物語が1000年をどのように歩んできたのかという美術展だったと言っていいと思う。
美しい屏風絵を始めとして、絵巻や写本、さらには婚礼調度の挟箱、そして江戸時代や現代の作品まで。
本当に長い間愛され続けてきた作品であることを示していた。
一条天皇を中心に描かれた「源氏物語の時代」では、中宮定子の魅力を感じた。のっぴきならないようなさまざまな駆け引きや、紙一重のような生と死のはざまで生きた平安貴族の日々は、ある意味小説以上にドラマチックである。
そのためか、「源氏に愛された女たち」を読んでいる時に、物語と事実が錯綜してくるような感におそわれながら、この物語が本当に宮廷という雅な世界を舞台にしていたのだと実感していった。
江戸時代には儒教のもとで、また近代の戦争にかりたてられる世においても「源氏物語」がその甘美さゆえに冷遇されたというのは無理からぬことかもしれない。
でも「千年目の源氏物語」にあったように、当時の「いろごのみ」は今日の「好色」的なことをさすわけではなく、もっと風情ある、優雅なものであったというのはよくわかる。
和歌にしても、・・・恋文なのである。文化の源流ともいえるのだろう。
紫式部と清少納言はなにかと比較されるし、どちらかというと清少納言の「エッセイ」の方が読みやすさとわかりやすさがある気もするけれど、一条天皇の言葉を借りるまでもなく、紫式部の学問と教養、そして作家としての構成力はすばらしい。宮仕えで養われた眼とはいえ、あれほど多様な女性たちの魅力を書きわけ、絡ませ、編み込んでいく技量は、まさに1000年を生き抜く、並外れたものだったのだと思う。
学生時代、古典の講義で朗読コンテストがあったときに選んだのは、源氏物語の「御法みのりの巻」だった。紫の上が、光源氏と明石の中宮に看取られながらはかなく消えていく場面。印象の強さで暗誦したけれど、もし今ゆっくり読めるのならば違う場面を選ぶような気 がする。
明石の君の奥ゆかしさもすてきだし、やはり源氏が愛し続けた藤壺は美しい。
以前にも記事にしたことのある、トールペイントで描いた源氏物語。季節はずれだけれど、藤壺を偲んでまたちょっと玄関先に飾ってみることにしよ
う。
不勉強なまま、勢いで書いてしまいました。
もしかして、いいかげんかも。(-_-;)
横浜美術館のあとは、みなとみらいのランドマークでランチ。
開港150年の横浜も、とっても魅力的でしたよ!
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コメント
私も行きたかったです。
テレビで少し紹介されているのを観て、「いいなあ、いいなあ」を連発してました。
男女の恋愛のことだけでなく、親子の絆や愛、友情のこともきめ細やかに描かれているとこがすばらしいと思います。
ちなみに、藤壺が一番好きです。
投稿: ちとせ | 2008/11/06 09:53
つぼみさん、今晩は。
高校時代は古文の先生がだ~いすきで、
古文の授業もすごく好きだったので、
一生懸命「源氏」を読みました。
しかし、成人してからは全く触れることなく、
ウン十年も過ぎてしまいました。(^-^;
だけど、つぼみさんの記事を拝見して、
興味再び・・・という気にさせて頂けました。
11月3日に、鎌倉に行ったとき横浜を通過したのですが、
着物を着た女性が結構いらしたのは、
もしかして源氏物語美術展帰り?の方かしら?
なんて思ったりして見ていました。
投稿: nanaco-bookworm | 2008/11/06 19:50
平家物語は読んだことがあるのですが、源氏物語は、そういえば読んだことが無かったですね…(苦笑)。
(平家と対になる源氏とは違うということは、もちろん理解しています)
とはいえ、今から古文を、古語辞典と首っ引きで読むというのは、ちょっと大変かも。
最近は、「現代語訳」版も出ているようなので、そういったもので、雰囲気だけでも知っておいた方が、教養になって、いいのかもしれません。
もっとも、どちらかというと、「女性向け」の物語のようですけれどね。
投稿: mark | 2008/11/06 20:23
★ちとせさん、こんにちは。
でしょう?
わたしもある日NHKを見ていてこの美術展を知り、俄然行きたくなったのでした。
(・・・というか、息子の住まいがみなとみらいからすぐなので、そちらの用事もあったのですけれど。)
本当に、恋愛だけでなく、さまざまな人間の情がきめこまやかに綴られていますよね。藤壺ですか、やはり。魅力的ですね!
投稿: つぼみ | 2008/11/06 20:44
★nanaco-bookwormさん、こんにちは。
高校の頃って、難しい平安文学に憧れますよね。・・・とはいえ、語彙も敬語も難しくて苦戦するので、わたしの場合、現代語訳で読んでいたようなものですけれどね。
たびたび言っていますが、基本的にミーハーなので、源氏物語ブームにじっとしていられませんでした。^_^; ぜひまた、円熟味を増したこの年齢でも紐解いてみてくださいませね。
和服で出かけたらすてきですね!みなとみらいはまさに未来都市感覚なので、逆にとっても眼をひきそうです。
投稿: つぼみ | 2008/11/06 21:43
★markさん、こんにちは。
中学生ぐらいに話をするときには、まずは源氏と平氏の源氏ではないのよ、というところから始めないといけないのですよね。
男性にとっては、やはり諸行無常の平家物語のほうが圧倒的迫力だと思います!
もちろんわたしも、ときおり古語に眼をやる程度でもっぱら現代語訳頼みであります。それで読んだ気になっているので、まだまだですね!
投稿: つぼみ | 2008/11/06 21:47
遅れ馳せながら、お誕生日おめでとうございます。



いくつになったのかしら~~
去年、源氏物語の舞台(大地真央主演)を観に行きましたが、予備知識があればもっと楽しめたのでしょうねえ。
(反省
)
林真理子は大好きで、小説もエッセイもたくさん読みました。
トールペイント、とっても素敵!!
売ってたら買いたいくらい。
投稿: ル・シュクル | 2008/11/07 15:22
★ル・シュクルさん、こんにちは。
まあ、ありがとう。さっき伺っていたところでございました。
何歳って・・・アラフォー知ってるくせにぃ(^_-)-☆
舞台、美しいでしょうね!見たいな。
林真理子さん、お好きなんですね。おもしろいですよね。
トールペイント、ずいぶんかかりましたよ~。もう描けないわ~。
投稿: つぼみ | 2008/11/07 21:48
さすがつぼみさん、同じテーマなのに私の記事との差がありすぎです(汗)
私の場合、学校の教科書以上の知識もなく行ってしまい、行ったあともなにも予習してません。
ただ、千年の歴史を垣間見てきただけでした。
それにしてもつぼみさんのトール、凄く素敵ですね~
横浜美術館に飾ってもOKです!!
投稿: ダーバン | 2008/11/08 07:30
★ダーバンさん、こんにちは。
あ、いえいえ、単に好みの問題だということで・・・。^_^;
あの日の展示は宇治十帖が多めのように思ったことや、ミュージアムショップで商品化されていた作品に買いたいものがなかったことが、わたしとしてはちょっと残念だったところです。
トールは、先生がデザインされたものを、花や着物の柄だけかえて描いたものなの。先生のだったら、飾れそうです!!
投稿: つぼみ | 2008/11/08 10:17
遅くなりましたが11月1日のお誕生日オメデトウございます。
そして「源氏物語千年紀」先日京都に行った時、駅にかなり大きくPOPが描いてありました。
昨年、平等院~源氏・ミュージアム方面に行きました。学生時代に買った?忘れましたが文庫本の「源氏物語」(セット本)持っていますがどこにしまったのか忘れています。
光源氏~薫へ後編でしょうか橋姫あたりまでいくと心理的葛藤が見事ですね。どの女性がいいか一概に言えませんが作家紫式部が現代に舞い戻ってきたらどんな女性像を描かれる?でしょうか。
投稿: 本屋のオバさん | 2008/11/08 15:05
1000年も愛し続けられた源氏物語は超ロングセラーですよね。実はわたしはほとんど読んだことはないのです。
でも、この機会に原文は無理なので、現代訳を読んでみようかな。または、大和わきさんの漫画でもいいか~。
投稿: piano | 2008/11/08 18:51
こんばんは。
ちょっと前に平安時代で「源氏物語」にふれたばかりです。
ただ、そこはjunior highschool・・・登場人物の心情等には触れている時間がないのが悲しいところです。
美術館でしっとりした後、おしゃれなランチを食べたい衝動にかられています(笑)
投稿: パパZ | 2008/11/08 19:59
★本屋のオバさんさん、こんにちは。
ありがとうございます。
あ、ちなみに10月31日(ハロウィン)でございます。^_^;
やはり源氏といえば、京都ですよね。京都ではいろいろな催しもあるようですね。「そうだ、京都に行こう」と行ってみたいです。
本当に、現代だったらどんな物語になることでしょうね!
投稿: つぼみ | 2008/11/09 10:37
★pianoさん、こんにちは。
まさしく、時代を経た超ロングセラーですね。その1000年にはいろいろなことがあったのだと感じました。
「あさきゆめみし」ではそれぞれどんな容貌で描かれているのか興味深いです。今年はひそかにベストセラーかも?
★パパZさん、こんにちは。
平安時代は源氏物語と枕草子、といった具合ですね。時間的に余裕がありませんものね。elementary schoolではなおのこと、歴史の流れすら追っていくことが難しい時数です。
美術館にランチ、いいでしょう?実はそのあと、アンパンマンミュージアムに行ったのですけれど。^_^;
投稿: つぼみ | 2008/11/09 10:44
いいですねえ。
私も知っていれば(時間があれば)行けたのですが・・・
源氏物語は正直教科書レベルでしか読んだことはありません。
「あさきゆめみし」を全巻持っているのでその知識が主です。
私はやっぱり明石の君がいいですね。
投稿: hirarin | 2008/11/09 19:30
★hirarinさん、こんにちは。
ちょうど良いタイミングで良かったです。それにしてもすごい人でした。
「あさきゆめみし」、全巻お持ちなのですか?びっくり。なんで?
今度ぜひ貸してください。娘と一緒に読みたいと思います!!
投稿: つぼみ | 2008/11/10 05:12
古典は苦手です。お嬢さんが世界史が苦手のように・・。私の場合理解するまでの辞書引きが大変でして。どんな分野にも興味を持ちそれを自分の物にしていくつぼみさんの頭の中を見てみたい思いがします。
投稿: かよびー | 2008/11/10 12:28
★かよびーさん、こんにちは。
古典、面白いですよ。最初に現代語訳を読んでから古文に入ってもよいと思います。あの響き、音読にも最高だと思います。
「どんな分野にも」ではないのですよ~。好きなことだけ。頭の中、とっても偏っています。^_^;
投稿: つぼみ | 2008/11/10 21:11